昔は乳幼児の死亡率が高く、子供が無事に成長するために、穢れを移す身代わりの人形を子供の枕元へ置いて、災厄を祓う風習がありました。
雛人形の原型は厄を祓った「ひとがた」を立体化したものとも言われています。
やがて時代と共に、雛人形は立派で豪華絢爛なものになります。
雛人形を「飾ること」で厄を祓う形へと変化していきました。
今も昔も子供が健やかに育ち幸せになって欲しいとの願いが込められているわけです。
お内裏様は天皇を表していると言われています。手に木製のしゃくを持っていて、刀は左脇下に挟むように置きます。冠は天皇のみ着用を許された格式高いかぶり物です。お雛様はお滑らかし扇を持っています。木の板を紐でつないで飾り紐を付けています。
三人官女は真ん中が座りで、左右が立っているお人形です。左右の官女は足が出ているほうが雛壇の外側に飾ります。また関東の三人官女と京都の三人官女とでは持ち物が違っています。
いずれにしても官女は後宮にいて、お雛様の近くに居た位の高い人物ということになります。
またお雛様と官女までが「大垂髪:おすべらかし」という髪型が許されます。大垂髪は江戸時代に完成された髪型です。そして、お雛様のほとんどがその大垂髪になります。前髪を上げ、両サイドの髪が張り出した部分が特徴で私的にはハート型のイメージです。
実際に我々は、令和元年の5月にこのおすべらかしを見る事が出来ました。新天皇の即位の礼の際、雅子皇后が儀式の際に「大垂髪(おすべらかし)」という髪型をされていました。おそばにいた女官(女官で合っているかは不明です)もおすべらかしでした。そこにはひな人形の世界観が残されていました。
八千代幼稚園では毎年7段飾りのひな人形をこの時期はホールにて飾っております。

※髪型を見てもらうため7段すべてを写してはおりません
posted by 八千代幼稚園 at 14:12|
お知らせ